トイプードルとビションフリーゼは、ふわふわとした毛と愛くるしい顔立ちでどちらも大人気の犬種です。この2匹は一見とてもよく似ていますが、実は体格や性格など全く違います。ここではトイプードルとビションフリーゼの違いについてご紹介します。
トイプードルとビションフリーゼは似ている?その違いとは?
トイプードルとビションフリーゼは、一見しただけでは違いがわかりにくいです。それくらい見た目がとてもよく似た犬種です。
どちらもふわふわとした被毛に覆われ、アーモンド形の瞳や丸くて黒い鼻など外見上の特徴が似ています。そのため、同じ犬だと間違われることがあります。
しかし、よく見るとそれぞれ違いがあります。2匹を見分けるためのポイントをご紹介します。
体格の違い
トイプードルは小柄でスリムな体型の子が多く、足が長くて華奢な雰囲気です。
反対にビションフリーゼは、トイプードルよりも足が短く胴が長めで、がっしりとした体つきです。体格も小柄な子から大きい子まで様々で、個体差があるのも特徴です。
2匹を横に並べると、体格の違いがはっきりと分かるでしょう。
毛色の違い
トイプードルの毛色は多彩です。レッド、アプリコット、クリーム、ブラウン、ブラック、シルバー、ホワイトとたくさんの種類があります。
ビションフリーゼの毛色はホワイトだけです。そのため、ホワイト以外はトイプードルと見分けがつきやすいでしょう。
被毛の違い
犬の被毛は2種類に分かれます。
トイプードルは被毛が一重構造になっていて、シングルコートと呼ばれています。抜け毛が少ないですが、トリミングが必要な犬種が多いです。寒さにやや弱いのも特徴です。
ビションフリーゼの被毛は二重構造になっていて、ダブルコートと呼ばれています。毎日ブラッシングしないと毛玉ができやすいため注意が必要です。
どちらもトリミングが必要な犬種です。トイプードルもビションフリーゼもぬいぐるみのようなふわふわとした丸いカットが人気のため、見分けがつきにくいかもしれません。
体格と毛色が2匹を見分けるポイントになります。
ビションフリーゼの性格、特徴とは?
ビションフリーゼの性格や特徴、トイプードルとの違いについてご紹介します。
ビションフリーゼの由来
ビションフリーゼとはフランス語で「巻き毛でおめかしをした犬」という意味です。フランスが原産の犬で、古くから家庭犬として可愛がられてきました。
トイプードルも同じくフランスが原産の犬です。古くは水猟犬や鳥獣猟犬として活躍していた、スタンダードプードルを愛玩用に小型化した犬種です。
ビションフリーゼの性格
性格は明るく陽気です。活発で人懐っこく、他の犬にもフレンドリーです。見知らぬ人や犬にも友好的なので、多頭飼いにも向いています。子どもの良き遊び相手にもなるでしょう。聞き分けが良く、飼い主に従順です。
しかし少し神経質でもあります。人が大好きで社交的ですが、その分孤独を嫌いストレスを溜めやすい性格でもあります。しつけをきちんとし、なるべくひとりで留守番などをさせないようにしましょう。
トイプードルはビションフリーゼと同じく、明るくフレンドリーな性格です。飼い主に従順で賢く、しつけがしやすいです。ビションフリーゼに比べるとトイプードルの方が甘えん坊な子が多いです。
他にも、毛色によって性格に違いがあるとされています。ブラック、シルバーなどの色が濃い子は穏やかで落ち着きがあり、レッドやアプリコットなど色が明るい子は活発だと言われています。
2匹とも明るく活発ですが、トイプードルと比べるとビションフリーゼの方が少し落ち着いた性格になります。どちらも人懐っこい性格が魅力のひとつです。
ビションフリーゼの特徴
ビションフリーゼ最大の特徴はふわふわとした被毛です。くるくるとした巻き毛に覆われ、毛量はかなり多いです。換毛期がないため抜け毛は少ないですが、トリミングが必要となります。
毛色がホワイトだけなのも特徴です。
トイプードルは、ビションフリーゼと同じ「ふわふわとした巻き毛」「抜け毛が少ない」「トリミングが必要」という特徴があります。その他には、トイプードルの方が臭いが少ないという特徴があります。
ビションフリーゼ特有の行動
ビションフリーゼは突然スイッチが入ったかのようにはしゃだり、走り回ったりします。この行動は「ビションブリッツ」や「ビションスイッチ」と呼ばれています。ビションフリーゼ特有の行動だと言われています。
家の中や外に関係なく始まり、しばらく続きます。なぜこのような行動をするのか、はっきりとは解明されていません。運動不足やストレス解消のためという説があります。
満足すると収まります。怪我などをしないように環境を整え、自然に落ち着くまで見守るようにしましょう。
ビションフリーゼのサイズ、寿命とは?
ビションフリーゼのサイズ、寿命についてご紹介します。
ビションフリーゼのサイズ
ビションフリーゼの体重は3~7kg、体高は24~29cmです。どちらかと言うと体高よりも体長の方が長く、やや短足胴長です。小型犬に分類されます。
大きな子では10kg近く成長するビションフリーゼもいて、体格は個体差があります。小型犬の中では大きめの犬種になります。
トイプードルと比べると、ビションフリーゼの方が大きくなる子が多いです。そして可愛らしい見た目に反して、がっしりとした筋肉質です。
ビションフリーゼの寿命
ビションフリーゼの寿命は12~16年です。遺伝的な疾患が少なく、小型犬の中では長生きしやすい犬種だと言えるでしょう。
ビションフリーゼが注意したい病気とは?
ビションフリーゼは遺伝的疾患が少なく、とても飼いやすい犬種です。しかし、耳や目、皮膚の病気になりやすい傾向があり注意が必要です。
耳の病気
垂れ耳であるビションフリーゼは、耳の形状から通気性が悪くなり蒸れることが多いです。そのため外耳炎を起こしやすいです。しきりに耳を気にする動作をしていれば、外耳炎の可能性が高いです。
日頃から耳の毛を適度に抜いて通気性を良くし、専用のイヤークリーナー等で定期的に耳掃除しましょう。ゴシゴシこすると悪化する原因となります。必ずイヤークリーナーなどで優しく拭き取るようにしてください。
目の病気
トイプードルやビションフリーゼは涙管が短く、詰まりやすくなっています。そのため、涙が目の外に溢れてしまう流涙症(りゅうるいしょう)になりやすいです。
流涙症の原因は、涙管が詰まっていたり、逆さまつげになっていたりと様々です。また、食物アレルギーから流涙症を発症する場合があります。
あまりにひどい場合は与えているフードを見直してみたり、獣医師に相談すると良いでしょう。
流涙症になると常に目の周りが濡れてしまい、涙やけで色素沈着や皮膚病を起こす可能性があります。
色素沈着を起こしてしまうと、ビションフリーゼは被毛が真っ白であるためとても目立ちます。涙やけ専用ローションなどを使って拭いて、清潔を保つようにしましょう。
皮膚の病気
ビションフリーゼにとって一番気をつけたい病気は皮膚疾患です。その中でも急性湿潤性湿疹(きゅうせいしつじゅんせいしっしん)に注意が必要です。
この病気は毛や毛玉などによって皮膚が蒸れて起こる病気です。突然発症し、赤い湿疹とかゆみが現れ、あっという間に症状が進行します。掻きむしることによって、ひどい時は化膿します。
患部は真っ赤になって痛々しく、ビションフリーゼにとってもかゆみと痛みで辛い病気です。
湿度の少ない地中海で生まれたビションフリーゼは、日本のような高温多湿の環境にはあまり向いていません。湿度の高い梅雨時などに発症しやすいでしょう。
もし急性湿潤性湿疹になってしまったら、すぐ獣医師へ見せましょう。ステロイド内服薬を飲んで治療すれば、1~2週間ほどで良くなります。
できれば患部の周りの毛をカットし、通気性を良くしてあげましょう。この病気は毛のもつれや毛玉による蒸れが大きな原因です。こまめなブラッシングをして予防を心がけましょう。
膝の病気
小型犬がなりやすい膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)に注意しましょう。ビションフリーゼもこの病気になりやすいため、注意してください。
膝蓋骨脱臼とは、後ろ脚にある膝のお皿のような骨が正常な位置からずれてしまう病気です。先天性の場合もありますが、事故や落下などの強い衝撃を受けて発症することも多くあります。
足を痛がったり、引きずっていたり、スキップするような動きをしている時は膝蓋骨脱臼になっている可能性があります。気になる症状があれば動物病院へ連れて行きましょう。
軽い場合は鎮痛剤を飲んで経過観察をしますが、重症化すると外科手術が必要です。犬にとっても飼い主にとっても負担が大きくなるので、予防が大切です。
関節への負担をかけないために肥満に注意しましょう。また、フローリングなど滑りやすい床にはマットを敷くなど、怪我をしないよう環境を整えてください。
歯の病気
ビションフリーゼを含む小型犬は歯と歯の間のスペースが狭く、歯垢が溜まりやすいです。そのため、きちんと歯のケアをしなければ歯肉炎や歯周病になる確率が高くなります。
ついてしまった歯石はなかなか取れません。歯石を取るには、動物病院で全身麻酔をして行います。頻繁に行うには体への負担が大きいため、日々の歯磨きがとても重要です。
水で濡らした歯ブラシで1日1回、歯磨きをするだけで十分です。歯ブラシが苦手な子は歯磨きスプレーやガムでケアをしてあげてください。
ビションフリーゼの飼い方、注意点を解説!
とても飼いやすい犬種ですが、元気に過ごすためにいくつかのポイントをご紹介します。
飼育環境
暑さと湿気が苦手であるため、ビションフリーゼは室内飼育が向いています。エアコンなどを使用し、快適な温度を保ちましょう。
毎日のブラッシング
ビションフリーゼは毛量が多い犬種です。放っておくと毛玉やもつれがすぐにできてしまいます。毎日ブラッシングを行いましょう。
毎日は難しくても、少なくとも2~3日に1回は行うようにしてください。こまめなブラッシングは毛玉予防だけでなく、皮膚病の予防に繋がります。
毎日の散歩
ビションフリーゼは小型犬の中でも活発で、体力があります。運動神経も良く、体を動かすのが大好きな犬種です。積極的に散歩に連れていきましょう。
毎日30分程度、1~2回の散歩がおすすめです。暑さに弱いため、暑い時期には注意が必要です。散歩の時間を早朝や夜などにずらして調整すると良いでしょう。
散歩以外にも、室内でしっかりと遊んであげることをおすすめします。
定期的なトリミング
ビションフリーゼは換毛期がなく抜け毛が少ない犬種ですが、放っておくと毛が伸び続けてしまいます。そのため、定期的なトリミングが必要です。
毎月1回はトリミングに連れて行きましょう。特にビションフリーゼに人気のアフロヘアのようなカットを保つには、こまめなお手入れが必要です。ブラッシングと併せてしっかりケアを行いましょう。
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