犬の家畜化が始まったのは、1万2000年前から1万5000万年前ころだと言われています。 その時代はあまりに古…
犬の家畜化が始まったのは、1万2000年前から1万5000万年前ころだと言われています。
その時代はあまりに古い時代なので、正確な時期はわかっていません。そして、いろいろな説がありますし、今後変わって行く可能性もあります。
◎どうして犬の家畜化がはじまったのか?
いろいろな説がありますが、オオカミから犬になっていったという説が有力です。
人間とオオカミがともに生活していると、お互いメリットがあるということから、共同生活が始まったのではないかと言われています。
人間にとってのメリットは、オオカミがいるおかげで、他の猛獣の存在、近づいてきたことを知ることができました。他には、人間が武器などの道具で追い詰めた獲物を、オオカミがしとめてくれるというメリットがありました。
オオカミにとってのメリットは、人間とともに狩りが出来たということと、人間に食べ物を分けてもらえるということです。
オオカミの中から、賢かったり、性格が穏やかだったり、人間が飼いやすいオオカミを厳選して繁殖していき、どんどん人間とともに生活しやすいオオカミになっていき、犬を作ったという説が有力です。
人間の社会とオオカミの社会は、似ているところがたくさんありました。
①社会性が強いというところ。
人間もオオカミも、群れで生活をしていて、集団で獲物を捕まえていました。
②一夫一妻制というところ。
人間もオオカミも、生涯連れ添う伴侶を選びます。
③縄張り意識が強いところ。
外敵などの危険から、大切な家族を守るために縄張り意識が強かった。
④複雑なコミュニケーション能力が発達しているところ。
狩りなどをするときに、仲間との複雑なコミュニケーションが発達していました。仲間の中で協力し合い、分配することができました。
◎人間と暮らしていた犬の役割は?
①狩りをしていくことで、探知能力や走ることが役立った
②他の野生のオオカミや、危険な動物が近づいてくることを知らせてくれた
③人間が撃ち落とした獲物を運んで来てくれた
④羊などの家畜を見張ってくれていた
このような、さまざまな役割があって、その役割に合わせた性質を持った犬種が作られていきました。
◎どのような目的で作られていったのか?
●狩猟犬
ゴールデンレトリーバーやアメリカン コッカー スパニエルなどです。
主に、鳥獣を狩るための犬種です。
狩猟犬は4種類に分けられます。
⚪︎セッター
⚪︎ポインター
鳥がどこにいるかを、人間に教えたり、獲物を回収することが仕事です。
⚪︎スパニエル
セッターとポインターとほとんど同じ仕事をしますが、しげみに落とされた獲物を回収するのが得意です。
⚪︎レトリーバー
獲物を回収することが仕事で、主に水の中に撃ち落とされた獲物を回収するのが得意です。
●牧畜犬、牧羊犬
シェットランド シープ ドッグ、ボーダーコリー、ウェルシュ コーギー ペンプローグなどです。
牧羊犬は、忠実で勇敢で賢い犬種です。
羊や牛を誘導したり、外敵から守るために家畜の見張り役を任されていました。
●ハウンド犬
ハウンド犬は、視覚型と嗅覚型に分かれていて、
視覚型は、足が長く走るスピードが早く、遠くの獲物も見つけることができます。
アフガンハウンド、サルーキ、ウィペットなどがいます。
嗅覚型は、足が短く嗅覚が優れていて、土の中などの獲物を探すことが得意です。体つきもがっちりとした犬種が多いです。
ダックスフンド、ビーグル、バセットハウンドなどです。
●テリア犬
ウエストハイランド ホワイト テリア、ブルテリアなどです。
もぐらやネズミの巣穴にもぐり、捕食していました。
●愛玩犬
チワワ、キャバリア キング チャールズ スパニエル、パピヨンなどです。
家の中で手軽に飼育できるように作られた犬種です。
小型で体の手入れが楽な犬種が多く、甘えん坊が多いです。
●警備犬 作業犬
セントバーナード、バーニーズマウンテン ドッグなどです。
大型犬が多く、体だけでなく頭が大きい犬種が多く、海や山での救助、ソリを引いたり、番犬、闘犬もこのグループです。
●非狩猟犬
チャウチャウ、ダルメシアン、ビションフリーゼなどです。
狩りをすることもなく、番犬でもなく、どのグループにも属さない個性的な犬種です。
いまでは、コンパニオン ドッグと呼ばれています。
自分のおうちの犬が、どのグループに属するのか、先祖はどのような役割があり、どのような仕事をしていたのかがわかると、どのような遊びが喜ぶのかもわかってきます。
走ることが仕事だった犬種は、たくさん運動させないとストレスがたまってしまいますし、番犬をしていた犬種は、来客時に大声で吠えてしまうことも多いでしょう。
きちんと犬種による性質を理解してあげながら、関わっていきましょう。
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