ダックスフントには3種類のサイズと3種類の毛質があります。毛質の種類はスムースヘアー、ロングヘアー、ワイヤーヘアーです。ダックスフントは毛質によって性格が違うと言われています。それぞれの性格や特徴について詳しくご説明したいと思います。
ダックスフントのサイズの種類とは?
ダックスフントはスタンダードサイズ、ミニチュアサイズ、カニンヘンサイズと3種類のサイズがあります。サイズは誕生後の決められた時期に測定して決められるため、誕生時点ではサイズを決める事ができません。
サイズ決定の為の測定は生後15か月を過ぎた時点と定められています。その時点の胸囲の大きさでサイズが決定されます。これはある程度成長が止まる時期になってからのサイズで決めるというものです。
穴熊の猟の時に、獲物を穴に追い込んだりする猟犬として誕生したのがダックスフントの始まりです。
ミニチュアやカニンヘンという小さめのサイズが作られたのは、穴熊だけではなく、テン類や穴ウサギなど、穴熊よりも小さく小さい穴に逃げ込む獲物を追えるように改良されました。
測定時のサイズの定義は国によって多少違いがあります。現在、ジャパンケネルクラブで決められているサイズでそれぞれについてご説明します。
スタンダード
スタンダードサイズのダックスフントは中型犬に分類されます。胸囲が35cmを超えて体重は9kgとされています。日本ではあまり見られないサイズとなっていますが、ダックスフントの原型と言われるサイズです。
ミニチュア
胸囲は30~35cm、小型犬に分類されます。ジャパンケネルクラブのサイズ一覧では体重は表記されていません。しかし一般的に体重5kg程度と言われています。
アナグマより小さいテン類(イタチの仲間)などの猟の為にサイズ改良されて誕生しました。
カニンヘン
胸囲30cm以下でミニチュア同様、小型犬に分類されます。やはりジャパンケネルクラブには胸囲の表記しかありませんが、体重は3.2~3.5kgが理想と言われています。
カニンヘンにはウサギという意味があるそうで、穴ウサギの猟の為にサイズ改良されたものと考えられています。
この様なルールの為、ペットショップでカニンヘンと言われて迎えた子がミニチュアサイズに成長したり、ミニチュアと思って迎えた子が成犬になってもカニンヘンサイズなどという事も、時々あるようです。
ダックスフントの毛色と毛質の種類とは?
ダックスフントは毛色の種類がとても多い犬種です。人気犬種の為にレア度を高めたいと繁殖により作られた毛色も多いです。但し、遺伝性の疾患の報告もあり、注意が必要です。
また、それらの繁殖を抑制するために、ジャパンケネルクラブで認められていない毛色もあります。
毛質の種類は3種類
毛質は3種類に分けられます。本来のダックスフントの「スムースヘアー」が基本となります。
スムースヘアにスパニエル系の犬を掛け合わせて誕生した「ロングヘアー」とテリア系の犬を掛け合わせて誕生した「ワイヤーヘアー」の2種類を合わせて3種類の毛質に分類されています。
カラーの種類
カラーは単色カラー、二色カラーの他にダップルやブリンドルなどのカラーがあります。ジャパンケネルクラブでは、犬種スタンダードというルールによってカラーの認定を行っています。
これは乱暴な繁殖により珍しいカラーを生み出すような行為に歯止めをかける為に取られている措置です。
これから紹介するカラーはジャパンケネルクラブで犬種スタンダードとして認められているカラーのみ紹介しています。
下記のリンクより、ジャパンケネルクラブの犬種スタンダード認定外の毛色を確認できます。
「犬種スタンダードで認められていない毛色の取り扱いについて」
単色カラー
毛色が単色であるカラーで「レッド」「レディッシュ・イエロー」「イエロー」があり、ジャパンケネルクラブでは鮮明なレッドが最も価値があるとされています。
黒毛が混じるシェーテッドも単色として分類されています。筆者の飼っているダックスフントはレッドですが、背中の辺りと耳の先に黒い毛が入っています。
そこが黒毛というわけではなく、赤毛の中に細かく黒い毛が混じっている感じです。このシェーテッドも単色のレッドとして分類されています。
鼻と爪の色は黒色で、レッドブラウンも許容範囲内ですが望ましくないとされています。
2色カラー
単色カラーの決まった場所に斑が入るカラーです。ブラックの毛色にタン又はイエローが入っているブラック&タン、ブラック&イエローが認められています。
また、ブラウン(チョコレート色)の毛色にタン又はイエローが入っているチョコレート&タン、チョコレート&イエローも認定カラーです。
この場合の斑の入る場所は決まっていて、目の上、マズルから下唇にかけての側面、耳朶の縁の内側が頭部分のタンの箇所です。体では胸部分、足の内側や上、尻尾の下部分などにタンが入ります。
また、ブラック&タンは鼻や爪の色は黒色、ブラウン(チョコレート)&タンは鼻や爪の色が茶色とされています。
不規則な場所に斑が入るのは二色カラーとは認められません。
その他のカラー
ベースの色に斑模様が入るダップル、縞模様が入るブリンドルが認められています。
ダップルはベースの色はブラックやレッドなどのダークな色とされていて、そこにグレーやベージュの斑模様が入ります。斑はあまり大きい物は良くないとされています。
ブリンドルはレッド又はイエローのベース色に濃い縞模様が入っています。ダップルもブリンドルも鼻や爪の色は単色、二色カラーと同じように判断されています。
毛質によるカラー
ここまで紹介したカラーはスムースヘア、ロングヘアーのダックスフントに当てはまるカラーです。
毛質の中でワイヤーヘアのダックスフントには、「ワイルドボア(イノシシ色)」と「ドライ・リーフ又はデッド・リーフ(枯葉色)」のワイヤーヘアのみのカラーが存在します。
ダックスフントのスムースヘアーの特徴とは?性格や寿命は?
ダックスフントのスムースヘアーは短くて艶のある毛が特徴です。狩猟犬であったダックスフントの気質を一番強く残しているのがスムースヘアーのダックスフントです。
その為、飼い主に対しては忠実で辛抱強さや忍耐力も持ち合わせています。性格は好奇心旺盛でちょっぴりやんちゃなイメージですが、明るく表情豊かです。遊びや運動も大好きな活発な子が多いようです。
抜け毛は少なくありませんが、毛が短いのでお手入れは簡単です。抜け毛のお掃除も比較的簡単に済みます。また、トリミングの必要もありません。
寿命については毛質での違いはありませんが、平均的に14~17歳と言われています。ダックスフントにはサイズがあり、スタンダードサイズのダックスフントは中型犬サイズとなるのですが、中型犬としては長いと言えます。
ダックスフントのロングヘアーのの特徴とは?性格や寿命は?
ダックスフントのロングヘアーはダックスフントにスパニエル系の犬を掛け合わせて誕生した種類です。スパニエル系の犬の陽気でフレンドリーな面を引き継いでいます。
ダックスフントの三種類の毛質タイプの中では1番穏やかな性格と言えます。その分、少し甘えん坊な面もあります。
スムースヘアーの性格を少しマイルドにした感じでしょうか。性格は個体差もあるので、ロングヘアーでもやんちゃな子もいるようですが、全体的に優しい雰囲気です。
筆者はロングヘアーのミニチュアダックスフントを3頭、家族に迎えていました。2頭は16歳で旅立ちましたが、平均寿命の範囲内でした。大きな病気にかかったりしなければ、15歳以上まで生きる事は可能です。
但し、寿命が延びている分、高齢犬として生きる時間のケアはとても大切になってきます。普段から愛犬の健康管理に十分気を付けてあげてください。
ダックスフントのワイヤーヘアーの特徴とは?性格や寿命は?
ダックスフントのワイヤーヘアは、ダックスフントにテリア系の犬を掛け合わせて誕生した種類です。テリアの毛質を引き継ぎ、毛は剛毛です。
顔周りの眉や口周りのひげのような長い毛がおじいさんのような可愛らしい表情を作っています。顔の毛の様子はテリアの風貌ですが、耳はダックスの垂れ耳です。
実はドイツではこのワイヤーヘアーが最も一般的なダックスの毛質だそうです。日本ではロングヘアーのダックスフントが一番登録数が多いそうです。
3種類の毛質の中では1番、トリミングが必要となってくる毛質です。
ワイヤーヘアーのダックスフントの性格は、ちょっぴり頑固なようです。テリアの気性の激しさや気の強い一面の現れる子もいます。
頑固という点ではしつけに根気が必要となってきますが、一度しつけがうまくいけば飼い主には従順なパートナーになってくれます。警戒心は強いので飼い主以外の人は少し苦手な子もいるようです。
ダックスフントは毛質では寿命に大きな違いはないので、ワイヤーヘアーのダックスフントも寿命はスムースヘアー、ロングヘアーと変わらず14~17歳と考えて良いでしょう。
犬種によって違う寿命
一般的に犬の平均寿命は小型犬は12~14歳、中型犬が10~12歳、大型犬は10歳前後と言われています。長生きできそうな大型犬の方が心臓への負担などから寿命が短いことに驚きますね。
ダックスフントはスタンダードサイズが中型犬、ミニチュアとカニンヘンが小型犬に分類されますが、どのサイズの平均寿命と比べても寿命が長いと言えます。
寿命が延びている事はとても嬉しいことですが、ずっと成犬の元気さで生き抜くわけではありません。高齢となってくる時に年齢にあったケアをしてあげることが大切になってきます。
高齢になって現れるトラブル
シニア期はフードの分類などで見ると7歳頃から始まります。現在は犬の寿命が延びている事からフードの売場などでも、シニア向けのフードや老犬の療養食などが多くみられるようになってきました。
子犬の時期や元気な成犬期には見落としてしまいがちな事も、将来くる高齢期に元気に過ごすために毎日のケアが重要です。
歯のトラブル
シニア期を迎える頃のトラブルとして多いのは歯のトラブルです。歯は他の病気と違って静かに進行します。普段から食事の後の歯みがきなどをしてあげて、ダックスフントの歯の状態を知っておくようにしましょう。
人間と同じように、犬の歯にも歯垢がつきやがて歯石となっていきます。歯石の着いた歯は弱っていき抜けてしまったり、歯茎が炎症を起こす歯肉炎になったりします。
食欲がないと感じたり、フードを残す回数が増えたら歯のトラブルかもしれません。ひどくなると悪くなっている歯を抜く必要が出てきます。犬の抜歯は全身麻酔で行います。体に負担もかかります。
また歯が減ってくると、ドライフードを食べられなくなることもあります。今はソフトタイプのドライフードなども販売されていますが、固いフードを食べなくなると顎の力も弱くなるため、良くありません。
筆者の家のミニチュアダックスフントも12歳を過ぎた頃に、食事を食べなくなり歯のぐらつきが原因とわかって抜歯しました。15歳を過ぎたころからフードはソフトタイプに変えましたが、歯の調子が良いと良く食べました。
食事の後には歯みがきティッシュで歯を拭いてあげていましたが、歯の質もあるのか2頭のうち1頭は歯のトラブルが起こりやすかったです。
関節のトラブル
ダックスフントに多い疾患として知られているのが椎間板ヘルニアです。胴が長く足の短いダックスフントは背中から腰にかけて負担がかかります。
階段を昇り降りや、ソファなどに飛び乗ったり飛び降りたりなどはさせてはいけません。またフローリングの床はすべりやすく、踏ん張る事で負担がかかるのでマットなどを敷いてあげると良いでしょう。
椎間板ヘルニアも症状の軽いうちは服薬などで治る事もありますが、悪化してしまうと手術が必要になったり、歩行困難になってしまう子もいます。十分に気を付けて生活させてあげてください。
認知症、目のトラブル
ダックスフント特有ではありませんが、高齢になると認知症の症状が現れる子もいます。また、目のトラブルも起こってきます。白内障などは目薬などで緩和させても進行を完全に止める事はできません。
その時のダックスフントの状態にあった安全な環境で過ごさせてあげるようにしましょう。
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