チワワは野生で生きていけるの?野生化したチワワの本性とは?!

愛玩犬として人気の高いチワワですが、野生のチワワが存在することをご存知でしょうか。ここではチワワの起源や性格について紹介した上で、野生のチワワは生きていくことができるのか、主にアメリカで野生化したチワワについて取り上げていきます。

チワワの起源や原産国は?

チワワの起源および原産国には諸説がありますが、なかでも中南米(メキシコ)が起源だという説と中国が起源だという説の2つの説が論議の的となっています。

1つ目のメキシコを起源とする説では、チワワは9世紀にメキシコの先住民トルテック族により飼育されていたテチチが祖先犬とされています。

このテチチはもともと地中の穴に暮らす野生の犬でしたが、トルテック族により家畜化され宗教的な用途として多用されてきました。しかし、被毛の色によって宗教的な位置づけに多少の違いがあったようです。

例えば、青みがかった被毛のテチチは神の使いとして崇められ神聖な犬として位置づけられました。他方、赤みがかった被毛のテチチは死者を黄泉の国へ案内する犬として家族の中に死者が出ると生贄として捧げられてきました。

トルテック族(トルテカ帝国)はアステカ帝国に征服されることになりますが、その後もテチチは一般家庭でペットとして飼われたり、生贄または食用犬としても飼育されました。

アステカ帝国も16世紀にはスペインのエルナン・コルテスらの軍に征服されました。そのためアステカは滅び、テチチは飼い主を失いました。その後、野良になってしまったテチチの詳しい消息は分からなくなりました。

しかし、数世紀が経った1850年メキシコのチワワ市でアメリカ人によって数頭のテチチと思われる小さな犬が発見され、それらをアメリカに連れ帰り繁殖と改良を繰り返して今のチワワが誕生したといわれています。

ちなみに、チワワの基礎犬となったテチチと思われる小さな犬が発見されたのがメキシコのチワワ市という市名であることから「チワワ」という名前が付けられたといわれています。

2つ目の中国を起源とする説では、大航海時代にスペインの貿易商人が中国にいた犬を連れ出して新大陸に持ち込み、その大陸に生息していた小型犬と持ち込まれた中国の犬を交配させて今のチワワが誕生したといわれています。

現在では1つ目のメキシコが原産国だという起源説が有力視されていますが、メキシコのテチチ犬と中国の小型犬を交配させてチワワが誕生したという2つの説を組み合わせた起源説までも出てきています。

このようにチワワの起源説には謎が多く、いまだに論争が繰り広げられています。そのため、今後これら2つの起源説よりも有力な説が誕生する可能性も低くはありません。

日本におけるチワワの歴史

日本でチワワが輸入され、飼われるようになったのは高度経済成長期にあたる1970年頃からだといわれています。当時、日本では大型犬の人気が高く小型犬のチワワに注目が集めることはあまりありませんでした。

しかし、経済成長も落ち着き都市化が進む中マンションや狭小住宅が増加していき、そうした住宅事情に見合った飼いやすい小型犬への人気が高まり始めました。

そんななか最小のチワワに注目が集まり、不動の人気を得ることとなりました。そして現在も変わらない人気を保ち、多くの家庭で家族として迎えられているようです。

チワワの性格は?

チワワは忠実で勇敢なところがあります。チワワは飼い主と認めた人だけに献身的な態度をとります。またその飼い主を守ろうと小さな体を盾にして、自分よりも大きな犬や人に対して果敢に吠えながら立ち向かっていきます。

他方、チワワは臆病で警戒心が高く攻撃的なところがあります。臆病なため常に周囲を警戒し、家族以外の人など恐怖心を抱くものには吠えたり噛みついたり、攻撃的な態度をとることがあります。そのため番犬にもなります。

またチワワは甘えん坊でやきもち焼きなところもあります。飼い主から注がれる愛情に喜びを感じ、孤独を嫌います。そのため飼い主の愛情を独り占めできていないと、いたずらをしたり吠えたりして欲求を満たそうとしてきます。

他にも、小さな体でありながらも活発で好奇心旺盛なところもあります。そのため常日頃から機敏に動き回り、散歩中に興味をひかれるものがあればそれに夢中になってしまうこともあります。

野生のチワワは存在するの?

世界最小の愛玩犬として親しまれているチワワですが、過去には飼い主に捨てられ野生化したチワワが群れをつくって生息していた地域があったようです。

その野生化したチワワが存在したのは、アメリカのアリゾナ州南部にあるフェニックス近郊のメアリーベールという地域です。

この地域では野生化したチワワの存在がニュース番組などでも大きく取り上げられ、社会問題にもなりました。日本でもその問題が取り上げられ、多くの人々を驚かせました。

ただし、このニュースがアメリカや日本で取り上げられ話題となったのは数年前のことであり、現在も野生化したチワワが存在するかは定かではありません。

しかし、家庭の事情や流行に左右されるなど自分たちの都合で愛犬を容易に捨ててしまうような過ちを繰り返す人たちがいる限り、愛玩犬が野良犬となり野生化してしまうでしょう。チワワもその一例に過ぎません。

アメリカだけでなく日本でもチワワが人気絶頂の頃には人々が一斉にチワワを買い求め家族に迎えましたが、人気や流行も落ち着いた頃には無残にもチワワを捨てる人も多く、それが野良になってしまうこともあるようです。

野生のチワワは生きていけるの?

野生のチワワは、もちろん個体差はありますが、一般的な野良犬と同じように人に飼われている犬よりも寿命は大いに短くはなりますが、野生でも生きていけるようです。

しかし、これまで衣食住を与えられ可愛がられてきた愛玩犬にとって、献身的に慕い心の拠り所としていた飼い主に突然捨てられることは人間への信頼性を喪失させ、多大な精神的ストレスとなる出来事でしょう。

特にチワワのように飼い主にのみ心を開き、飼い主からの愛情が最大の喜びだと感じる性格の犬種にとって、飼い主が側にいないことがどれほどに辛く不安な精神状態に追い込むことになるかは容易に想像がつくことでしょう。

そのため過度なストレスを抱えて病気を発症してしまう子もいれば、体の小さなチワワが凶暴化しても大人の人間にひと蹴りされただけで大怪我や命を奪われてしまうこともあります。

また人間だけでなく、外の世界には犬や猫、鳥など天敵となる動物も非常に多く生き残ることは困難なことといえます。

さらにチワワは臆病で警戒心が強い性格なため一度でも不信感を持ってしまった人間に対しては吠えたり噛み付いたり、威嚇しながら攻撃的な態度をとる子や、人間を見ると怯えて逃げ出してしまう子もいるかと思われます。

そのため野生化したチワワを捕獲・保護することは難しく、仮に保護できたとしても過度なストレスを抱え攻撃的な行動をとるようになった犬たちを落ち着かせて、平穏な日常を取り戻していくことは容易なことではありません。

保護された後も次の家族や里親が見つからなかった場合や人間に危害を加えてしまった場合には、その犬の命は危険にさらされてしまうということも考えられます。

このようなことからチワワが野生化して生きていくことができる可能性は、ほぼ皆無といえるでしょう。生きることができてもそれは数日から数年であり、生き永らえることができる子はほんの数匹といえます。

ここで忘れてならないことは、これら全ての元凶は身勝手な人間にあるということです。どんな犬を飼うことになってもその子の命を奪うような無責任な行動は、いずれの選択肢からも無くさなければなりません。

アメリカでチワワが野生化して大変?

先述したように、過去にはアメリカのアリゾナ州のメアリーベールという地域で、チワワが野生化し住民たちに危害を加え、困らせているというニュースが多数報告されています。

当時アメリカのFOXテレビ系列のKSAZ-FOXやABCニュースなどで、捨てられたチワワが野生化して人を襲うなど地域住民の平穏な生活が侵されているという報道がされ話題となりました。

これらの報道内容によると、飼い主に捨てられ野放しにされたチワワが8~15匹ほどの群れをつくり、ときには大型犬の野良犬と共に集団で行動しながら騒がしく町中を徘徊しているということでした。

犬は集団で生活をする生き物であるため、野生化したチワワが仲間をつくり群れで生活をすることは自然なことといえます。

とはいえ、攻撃的な一面を持つチワワが野生化するとさらに凶暴化すると考えられ、さらに仲間をつくって複数匹で攻撃してくるとなると地域住民にとっては愛らしい印象のチワワが手の負えない狂犬にも思えることでしょう。

他にも、野良のチワワたちが住民の敷地内に入り込んでは糞や尿を撒き散らしたり、食べ物を要求することもあったようです。

また登下校中の子どもに吠えかかり追いかけ回したり、ときには住民に襲いかかり怪我をさせるなどさまざまな問題行動を起こしているという報道もされていました。

地域住民、特に子どものいる家庭では不安が増すばかりで安易に外出することさえもできない状況に置かれているといえます。また、外で犬を飼っている家庭でもその心配は拭えないと思われます。

実際飼い犬が襲われたという報道はされていませんでしたが、場合によっては自分の飼っている愛犬が野良犬に襲われる可能性もないとは言い切れない状況です。

さらに当時の報道内容には、野生化したチワワの数が徐々に増えていき地元の職員では手に負えない状況に置かれていたようです。

飼育放棄されたチワワは避妊や去勢手術が済まされていなかったため、望まない妊娠や出産が繰り返されてその数は増していったとされています。そして徐々に仲間を増やし、その群れの数を急速に拡大していったことも問題視されていました。

当時、地元の動物管理センターには野生化したチワワによる被害報告や苦情が年間数千件以上も寄せられました。

このような状況から動物保護施設の職員は野生化した犬たちを捕獲や保護をすることはもちろん、地域の衛生状態を改善することや狂犬病など人に危険を及ぼさないようにするための対策を早急に立てなければいけませんでした。

しかし、それら全てを解決するには大変な時間と労力を必要としました。そのためなかなか成果が得られず、地域住民の協力も必要としました。

とはいえ、チワワが野生化して人に危害や被害を加えるようになった原因は、先にも触れたように、飼い主側の飼育放棄にあります。身勝手な飼い主がいる限り野生化する犬の問題を解決することはできないといえます。

まず問題を解決するためには、犬たちを捨て去った人間への教育や対処が必要となることでしょう。犬を問題視する前に無責任な飼い主を問題視することが求められるべきです。

今回のようにアメリカで起きてしまった飼育放棄によるチワワの野生化の問題が、ペットブームを迎えて犬のいる家庭が急増した日本でも起こらないと言い切れる保証はどこにもありません。

このアメリカでの出来事は、私たち飼い主に犬を育てることへの責任を再度気付かせることとなるでしょう。愛犬を野生化させ苦しめるような飼い主は、減ってほしい限りです。