トイプードル狼爪切除の目的、方法とは?

トイプードル狼爪切除の目的、方法とは?

犬の足についている「狼爪」をご存知でしょうか?狼爪は「ろうそう」とよみ、犬の祖先の名残で痕跡的についている爪であり、ほとんど機能は無いといわれています。ここではトイプードルの狼爪切除について紹介していきます。

狼爪(ろうそう)とは?前足、後ろ足で違いはある?

犬の足についている狼爪は、祖先から受け継いだ身体の特徴であり、ついていて異常なものではありません。

犬の起源については様々な説がありますが、行動学や形態学、DNAの塩基配列の比較などから、狼が祖先であるといわれています。

現在ペットとして飼育されている犬に遺伝的に最も近いのは、中東に生息するハイイロオオカミとする研究結果も出ています。

犬の祖先は、獲物や餌を食べる際に食べやすくするために固定するのに狼爪を使っていたと考えられていました。

現在では、犬がボールで遊んだり物を押さえるのに少し使われたり、雪が積もる場所では雪上を歩く際に足先が沈むために狼爪が役立つ事もあるといわれています。

しかしながら、普段の犬の日常生活に狼爪はほとんど不要なものであると考えられています。

狼爪は基本的には前足についています。足先の、他の4本の爪より高い位置の内側についており、着地する部位ではないので普段の生活で地面に接触することはありません。

後足の狼爪は通常退化していますが、まれに残っている場合もあります。例外としてグレートピレニーズやブリアードには付いています。

前足と後足では構造が少し異なっており、前足の狼爪はきちんと狼爪の骨と手根骨が繋がっています。

後足の狼爪は必ず骨があるわけではなく、爪と皮膚だけが結合組織で繋がっている例が多くみられるため、大抵はぶら下がった状態です。

狼爪の爪切りは必要?

狼爪以外の4本の爪は、散歩でコンクリートなどの固い地面を歩くことにより自然と削られますが、狼爪は普段の生活の中で削られることがないので約2週間~1ヶ月に1回を目安に人工的に爪切りをする必要があります。

トイプードルなど毛が伸び続ける犬種では、狼爪が毛で隠れてしまい気付いたら巻いて肉球に刺さっていた、ということもよくあるので普段から注意して観察するようにしましょう。

市販の爪切りを購入して自宅で切る事も可能です。白色の爪であれば血管が見えるので、血管の外側に沿って切るようにします。黒い爪は少しずつ切り、中心が湿ったようになるのが血管が近い目安です。

上手に切るコツとしては、一度に真っ直ぐ切るのではなく、周りから少しずつ角をそぎ落とすように切っていきます。やすりをかけられるとなお良いでしょう。

爪切りにはギロチン型とハサミ型がありますが、丸まってしまった狼爪はギロチン型では切れないことがあります。その場合はハサミ型の爪切りで爪の途中を長めに切断し、その後ギロチン型で長さを調節します。

爪が伸びると、追いかけるように中の神経や血管も伸びていきます。そのため、爪が長く伸びている犬は神経や血管も長く、切る際に注意が必要です。小まめに切ることで中の神経や血管の成長を防ぐことができます。

嫌がって暴れる場合は無理をせず動物病院やトリミングサロンで切ってもらいましょう。爪切りだけお願いするのは気が引けるかもしれませんが、ほとんどの病院やサロンでは快く引き受けてもらえます。

特に子犬の場合は、一度爪切りを失敗すると「爪切り=痛くて怖いもの」とインプットしてしまう事が多くあります。その後切らせてくれなかったり、爪切りを見ると咬みついてくるようになる場合もあるので注意が必要です。

狼爪切除の目的、切除するべきケースとは?

狼爪を切除する目的は大きく2つに分けられます。

怪我の予防

狼爪を放置しておくと、じゅうたんや首輪、家具の隙間などに爪を引っかけて途中で折れてしまうことがありますし、そのまま伸び続けると、爪が巻いて肉球に刺さり怪我をする危険性もあります。

爪に肉球が刺ったまま気が付かずにいると、刺さった傷口から感染を起こしたり、痛い足をかばうような無理な歩き方をすることによってさらに関節を痛めたり、徐々に足の骨が曲がって変形する可能性もあります。

狼爪切除では根元から爪がなくなるので、これらの心配をする必要がなくなります。

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2019年2月14日

美容目的

世界各国には、犬種や血統の登録・管理をしている団体があり、それぞれ犬の大きさや被毛の色などの犬種標準(犬種として理想的な姿の基準)を規定しています。

ドッグショーに出すタイプのトイプードルは、狼爪がついていると「犬種標準」に合わないことから切除する場合があります。美容目的で切除するものは狼爪以外にも尻尾を切る「断尾」、耳介を切る「断耳」があります。

ただし例外として、グレートピレニーズやブリアードのでは狼爪がついているのが標準であることから、人工の手を加えないように規定されています。

トイプードルやヨークシャーテリア、シュナウザーなど狼爪が無くてもよい犬種では、産まれてすぐにブリーダーのもとで切除してしまうケースが多くみられます。

もしこれからブリーダーから子犬を譲り受ける予定があり、狼爪切除を希望しないのであれば、ブリーダーの元で生まれた子犬は生後2~5日で切除されてしまう事が多いので、早めに切除不要であると伝えておきましょう。

もし狼爪が折れてしまったら?

爪の中には血管や神経が通っていて、折れてしまうと出血し、大変痛がります。

もし家具などに引っかけて折れて出血してしまったら、出血部位に清潔なガーゼやティッシュをしっかりと当て、1~2分圧迫することにより大概血は止まります。

市販の止血剤(クイックストップ)を使えばもっと早く止めることができます。出血部位に止血剤を5~10秒押し当てる事で止血できるので、必要に応じて常備しておくと良いでしょう。

止血時に痛がって暴れてしまう場合には、無理をせず2人がかりで止血しましょう。動いてしまうと余計出血する事があります。1人は犬が動かないよう身体をしっかり支え、もう1人は圧迫止血に集中します。

また、自己判断で市販の消毒薬を使用するのはやめましょう。かえって傷の治りを遅くすることがあります。

子犬と成犬での狼爪切除の違いは?

子犬の狼爪切除は、骨がまだ未成熟で柔らかいため、成犬と比べると比較的容易に切除することができます。

一般的には生後2~5日頃、通常は麻酔なしで行われます。子犬は神経が未発達なので、痛みを感じにくいという話がありますが、これはブリーダーが行為を正当化するために流れたという説もあり、信憑性に欠けています。

成犬になってからの手術となると、前足は狼爪と手根骨がしっかりとした固い骨で繋がり、通常の狼爪以外の指と同じ構造を持つため、子犬の時の手術と比べ手間がかかり時間を要します。

年齢によっては、狼爪切除をするにあたり術前の血液検査などの健康検査が必要となり、時間や費用も余計にかかってしまいます。

狼爪切除のみの為に全身麻酔をして手術するというよりは、多くのケースでは避妊や去勢手術と一緒に行われる事がほとんどです。

狼爪切除のメリット、デメリットをまとめました!

狼爪を根元から切除してしまえば、折れたり抜けたりという怪我の余計な心配が無くなります。

また、2週間~1ヶ月に一度の小まめな爪切りが必要なくなることから飼育の手間が減り、見栄えも良くなります。

切除のデメリットは、犬の健康な身体にメスを入れるため、痛い思いをしなければならないという事です。痛い経験をした事から病院嫌いになる事もあります。

また、成犬になってからの手術では全身麻酔が必要になり、麻酔によるリスクや術後感染を起こすリスクもあります。もちろん費用もかかります。費用は病院によって異なるので、確認しておくのが良いでしょう。

狼爪切除の方法とは?

全身麻酔での手術の場合、当日の朝は基本的に絶食となります。これは麻酔の種類にもよりますが、麻酔によって誘発される嘔吐による誤嚥性肺炎を防ぐことを目的としています。

手術自体は、狼爪を外側にひねりながら、付け根の部分からメス等で切り落とし、止血した後に皮膚を縫合糸で縫合し1~2針縫います。

患部は絆創膏や動物用包帯などを使い保護しますが、あまりにも気にして舐めたりかじったりしてしまう場合には傷が開いてしまう可能性があるためエリザベスカラーを使用します。術後は自宅でも様子をよく観察しましょう。

切除後の傷口はナイロンなどの非吸収糸で縫合する事が多いため、手術から約10日後に抜糸をする必要があります。抜糸処置は無麻酔で行われ、抜糸後の消毒も含め数分程度で終わります。

抜糸後の皮膚は、糸が通っていた穴がまだ塞がっていない状態なので、シャンプーする場合は2日後以降にしましょう。


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