トイプードルのいびきの原因は?病気の可能性も?

トイプードルのいびきの原因は?病気の可能性も?

犬は就寝時、「スース―」と静かな寝息を立てますが、時々「プスープスー」といった寝息や「グーグー」といった濁音の混じったいびきをかくことがあります。いびきが有名な短頭犬種ではないトイプードルは病気の可能性や日頃の行動からどんな時にいびきを掻くのか原因と対策をご紹介します。

犬のいびきのメカニズム&トイプードルはいびきをかきやすい犬種?

まずは、いびきのメカニズム、そして、いびきのかきやすい犬種について説明していきます。

犬のいびきのメカニズム

 
いびきは眠っている時に口や鼻からでてくる呼吸性雑音である、と定義されていますが、どうやってこの雑音はでてくるのでしょう?犬のいびきのメカニズムについて話す前に犬の呼吸の仕組みについてお話していきます。

呼吸時に空気が通る道を気道といいますが、気道には鼻の穴から喉の奥まで続く空気の通り道である上気道(じょうきどう)と気管から肺まで続く下気道(かきどう)があります。

上気道は、鼻の穴である外鼻孔(がいびこう)から始まり、鼻腔(びくう)、鼻咽腔(びいんくう)、咽喉頭(いんこうとう)へと連なっていて、鼻から入った空気はここを通り抜け声帯を境として下気道へ流れていきます。

この外鼻孔から肺へと吸い込まれる空気の流れが吸気(きゅうき)と呼ばれるものです。

下気道へ流れた空気は肺で酸素と二酸化炭素を交換され、今度は逆向きに流れて外鼻孔から排出されます。

肺から外鼻孔へと吐き出される空気の流れは呼気(こき)といいます。
この呼気は、人間が自動車等の運転に危険を及ぼす酒気を検査する「呼気アルコール検査」と同じ意味です。

この呼気と吸気を合わせたものが呼吸(こきゅう)と呼ばれるものです。

睡眠中、呼吸に合わせて上気道を通る空気の流れがスムーズな時は「スース―」といった寝息になり、その流れが何かの原因で悪くなって乱流が起こると、周囲の粘膜面が振動して「グーグー」といった濁音のいびきが生じます。

つまり、いびきとは睡眠中に上気道のどこかで空気の通りが悪くなっているというサインなのです。

ちなみに、いびきと勘違いされやすいものに「気管支喘息」や「気管虚脱」等があります。
これらは下気道から聞こえる呼吸時の雑音があり、喘鳴(ぜんめい)と呼ばれています。

トイプードルはいびきをかきやすい犬種?

 
頭部の形によって、いびきをかきやすい犬種がいます。
マズルが短いパグやシーズー、チワワなどの短頭犬種はその代表です。

短頭犬種は、「生まれつき外鼻孔や鼻腔が狭い」「喉の奥の軟口蓋(なんこうがい)が気道の広さに比べて厚みがあり、上気道内が他犬種より狭めである」等の理由で呼吸時の空気の流れが悪くなりやすいです。

また短頭犬種は、軟口蓋が厚みを帯びているだけで出なく、通常より長い軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)を持っていることがあり、これもいびきの原因となりがちです。

逆にマズルが長いコリーやダックスフンドなどの長頭犬種では、上気道が生まれつき狭いことは無く、幼犬時の鼻がペチャと短い時期以外はいびきをかきにくい犬種と言えます。

トイプードルは、マズルの長さが短頭犬種と長頭犬種の中間で『中頭犬種』と言われており、トイプードル以外では、柴犬やウェルシュ・コーギー、ラブラドール・レトリバーなどが含まれています。

つまり、トイプードルのマズルの長さは中間なので、いびきのかきやすさもちょうど真ん中くらいとなります。

そんなトイプードルはどんな時にいびきをかくのでしょうか?

トイプードルがいびきをかくのは普通?熟睡、安心のサイン?

トイプードルはいびきをかきやすい犬種ではありませんが、状況によってはいびきをかくことが多々あります。

遠出をしたり、たくさん散歩をしたり、はしゃいだりして、とても疲れて熟睡している時には、喉周りの筋肉も弛緩して上気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。

また、ヒトと同様に犬も寝る時の姿勢によっては、いびきをかくことがあります。

例えば、リラックスして仰向けで寝ていると、ゆるんだ舌の付け根が喉の奥に落ち込み、いびきの原因になります。これはとても疲れている時や高齢犬にみられがちです。

首を「何故そんな向きに?」というくらい捻って寝ている場合や逆に首が真っ直ぐ過ぎる場合、クッションやおもちゃを枕にしてあげると良いでしょう。

上記のような寝姿は安心している時に取る姿勢なので、こういった状況に限ってであれば、いびきは熟睡や安心のサインと言えるでしょう。

トイプードルのいびきの原因とは?

疲れて熟睡している時やリラックスしている寝姿以外でのいびきの原因は、大きく分けると次の3つがあります。

1.うまれつき

 
ヒトの場合、耳鼻咽喉科で喉を診てもらうと、一目でいびきをかきやすいか否か判断されるケースがありますが、犬の場合はどう判断できるでしょう?

犬ではヒトほど簡単に喉の奥を医師に診せませんが、外鼻孔、すなわち、鼻の穴の大きさやマズルの長さでいびきをかきやすいか否かを簡単にチェックすることができます。

トイプードルは短頭犬種ほどマズルが短くはないのですが、外鼻孔の形がやや狭かったり、マズルが短めだったりすると、短頭犬種と同じ理由で、普段からいびきをかきやすくなることがあります。

いびきをかき続けていると、喉に負担がかかり軟口蓋と呼ばれる部分が伸びて軟口蓋過長症という病気になってしまうことがあるので、なるべくいびきをかかせないようにしてあげましょう。

こういったタイプは、寝ている姿勢をちょっと変えるといびきが止まることがあるので、いびきをかきにくい体勢で寝かせる工夫をしてみてください。

但し、神経質になりすぎて愛犬の睡眠を妨げないよう注意しましょう。

2.肥満

ヒトと同じように、肥満がいびきの原因になることがあります。

ふっくらした姿は可愛いものですが、「ちょっとふっくらし過ぎでは?」というくらいの肥満になってくると喉の周りにまで脂肪がつき、上気道を圧迫し、いびきを引き起こすことがあります。

ただし、それはかなり重度な肥満時です。

とはいえ、「重度な肥満とはどれくらいの肥満?」と疑問に思うかも知れません。ここで少しだけ肥満の見分け方について説明しましょう。

トイプードルの中には小さな体格のタイプもいれば、大柄な体格のタイプもいます。こういったタイプは犬種図鑑などに記載されている標準体重が理想的な体重とは限らず、肥満の目安がわかりにくいことがあります。

愛犬が理想的な体重・体型をしているか否かをチェックするボディ・コンディション・スコア(BCS)という方法を取り入れてみて下さい。

これは、愛犬が立った姿や座った姿を上や横からみて、ウェストや腹部に適度なくびれがあるかどうか、また、身体のあちこちを触って脂肪のつき具合を簡単に調べられる方法で、評価には1~5までの段階があります。

BCS 1は極度の痩せ過ぎ、BCS 2は痩せ気味、BCS 3は理想的な体重、BCS 4は太り気味、BCS 5は足首のくびれさえほとんどなくなっている重度の肥満状態です。

全ての犬が5段階で評価できるわけではないため、BCS 2とBCS 3の間はBCS 2.5といった評価をすることもあります。

トイプードルであればBCS 2.5~3.5前後といったタイプが一般的です。ただ、中には明らかにBCS 4.5やBCS 5といった肥満タイプも存在し、それくらいの肥満になってくるといびきをかきやすくなってきます。

肥満が原因でいびきをかくようであれば、心臓や腎臓などの内臓やホルモン系にもかなりの負担がかかっている状態です。早急に理想体重までの減量を目指して対策を立てる必要があるでしょう。

BCSについてはかかりつけの動物病院でチェックすることもできますが、「犬 BCS」で検索して頂ければチェック表が見つかりますので、こちらをご参考にして頂くのも一つです。

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3.加齢

トイプードルも高齢になると足腰の筋力だけでなく全身の筋力が衰えてきます。全身の筋肉には喉周りの筋肉や舌の筋肉も含まれ、これら筋肉が衰えてくると、熟睡時にいびきをかきやすくなります。

そこまで高齢であれば、ご飯を食べる時にうまく飲み込めず、フードのかけらを喉に詰まらせて咳き込んでしまうこともあるでしょう。

喉の筋肉を鍛えるにはヒトの場合、よくしゃべり歌うこと、とされていますが、犬では中々に困難です。
そのかわりに号令があった時に吠える訓練をし、ご近所迷惑にならない時間帯や場所で吠えさせてあげると良いでしょう。

ただ、この訓練は何かのタイミングでたまに吠える犬でないと難しい可能性があります。その場合は、物をくわえさせる訓練やおもちゃの引っ張り合いといった遊びを日常的に取り入れてみてください。

全身の筋肉の衰えには、加齢だけでなくホルモン異常などの病気が関わってくることがあり、その場合は中年齢頃からいびきをかき始めることがあります。

このように、いびきの中には何らかの病気がかかわってくるものがいくつか存在します。

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トイプードルのいびきは病気の可能性がある?

病気が原因でトイプードルがいびきをかく可能性はあります。

上気道と呼ばれる部分の空気の流れが悪くなるといびきをかきやすくなるため、上気道やその周囲に影響を与える病気がいびきの原因になることがあるのです。
 
代表的な病気には次のようなものが挙げられます。

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1.鼻炎を引き起こす病気

鼻炎がある時、くしゃみや鼻水の症状がメインとなってきます。その際、炎症で鼻粘膜が腫れたり鼻汁が溜まったりして、鼻が詰まり気味になってしまい、いびきをかきやすくなります。

アレルギー性鼻炎やウイルス、細菌、真菌などの感染性鼻炎など

アレルギーがもとで鼻炎を起こす場合やウイルスをはじめとする各種病原菌が原因で鼻炎を起こすことがあります。

また、ホコリや匂いの強い物質(香水やたばこの煙、等)が犬の鼻粘膜を刺激し、一時的な鼻炎を引き起こすこともあるので、犬の住環境には清潔に保ちましょう。

歯周病による口鼻瘻(こうびろう)

歯周病が重度になってくると、歯の根元に膿がたまってくることがあります。
この状態を歯根膿瘍(しこんのうよう)といいます。

膿がたまっている部分の組織や骨は次第に溶かされていき、目の下や鼻の中に穴が開いてしまうことがあります。

鼻の中に穴があくと、口と鼻が瘻管(ろうかん)で繋がった状態となり、口の中の雑菌や食べかすが鼻の中に入り込み、そこに炎症が起き、鼻炎となります。

鼻腔内異物による鼻炎

地面の匂いをチェックしたり、草むらをよく歩いたりしていると、鼻の中に草の種などが侵入し、それがもとで鼻炎を起こすことがあります。また、異物自体も気道内の空気の通りを悪くしていびきの原因となりえます。

2.鼻孔や鼻腔に狭窄を引き起こす病気

炎症で鼻の粘膜が腫れて鼻腔内が狭くなる以外に、鼻孔や鼻腔が生まれつき極端に狭い場合などでも、空気の流れが悪くなるためいびきをかきやすくなってきます。

先天性の外鼻孔狭窄症(がいびこうきょうさくしょう)&鼻腔狭窄症(びくうきょうさくしょう)

うまれつき、鼻の穴が極端に狭かったり、鼻腔内が極端に狭かったりする状態です。短頭犬種ではしばしば見られ、重度な場合は手術が適応となることがあります。

トイプードルの場合、手術が適応されるほど極端に狭いことはありませんが、トイプードルと短頭犬種のハーフではこのような病気の可能性がでてきます。

鼻腔内腫瘍

鼻腔内に腫瘍ができると空気の通りが悪くなり、いびきをかくことがあります。「今までいびきがなかったのに、突然かきだした」「いびきの音が最近大きくなってきた」という場合には注意が必要です。

3.鼻咽腔や咽喉頭に炎症や狭窄を引き起こす病気

鼻の奥や喉の奥に炎症があると、そこが腫れてやはり空気の流れが悪くなりいびきをかきやすくなります。

上咽頭炎や咽喉頭炎

ヒトと同じように、犬にも風邪のような症状を引き起こすウイルスが存在します。こういったウイルスに感染すると、喉の奥に炎症を起こすことがあります。

また、漂白剤やトイレ用洗剤などを誤って飲み込むと口の中や喉の奥がただれてしまいます。犬は飼い主さんが予想もつかない物を口にすることがあるので、洗剤類は犬が届かない場所に片付けておきましょう。

軟口蓋過長症

生まれつき軟口蓋が長いために、いびきをかきやすい犬が多いのですが、中にはいびきが原因で徐々に軟口蓋が長くなっていく場合もあります。

口腔内腫瘍

口の中にも腫瘍ができることがあります。
また腫瘍が喉の奥にできると、その周囲に炎症が起こり、いびきを掻くことがあります。

ただし、口腔内腫瘍ではいびきより、口臭やよだれの増加、食事を食べ辛そうにするといった症状がメインとなるので、いびきを掻いている以外、変わった様子が無ければ、真っ先に疑う病気ではありません。

4.周囲から上気道を圧迫するような病気

喉などを周囲から圧迫するようなものがあると、いびきをかきやすくなります。

リンパ腫やリンパ節炎

喉の周囲には免疫を担うリンパ節がいくつもあります。こういったリンパ節に炎症が起こったり、リンパ腫になったりすると上気道が圧迫されていびきを生じさせることがあります。

肥満症

脂肪がたくさんつくと上気道が狭くなるためいびきをかきやすくなります。肥満の中にはホルモン異常などが原因のものがあり、その場合は通常の減量だけではなく治療が必要となります。

5.上気道の筋肉の動きが悪くなる病気

筋肉の動きが悪いと、上気道の内部を適度な広さに保つことができず、内部が狭くなり、いびきを生じさせることがあります。

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンと呼ばれる新陳代謝などにかかわるホルモンがあり、このホルモンを分泌する機能が低下してしまう病気を甲状腺機能低下症といいます。若くしてなることもありますが、一般的には中年齢以降に多くみられます。

この病気になると、全体的に活動性が低下し、疲れやすくなり、筋肉の動きも悪くなってくることがあります。

トイプードルは甲状腺機能低下症になることが比較的多い犬種であるため、「以前より毛艶が悪くなった」「被毛がパサつく又は、脂っこい」といった初期に診られる症状があれば、かかりつけ医に相談してみましょう。

喉頭麻痺

腫瘍や外傷などで、喉頭の動きを支配する神経がダメージを受けた場合に喉の筋肉の動きが悪くなってしまうことがあります。

喉頭麻痺は遺伝的に起こる場合もありますが、これについてはトイプードルはその該当犬種ではありません。

トイプードルのいびきは対策が必要?

いびきは総じて呼吸器系の一部である上気道に大なり小なり負担をかけてしまうため、ホコリなどが舞わないよう、こまめなお掃除と適度な加湿が推奨されています。

それ以外の対策として、ちょっとした日常のケアがあります。

日常的なケアでいびき対策に!

疲れた時のいびきや寝姿が原因であるいびきは、寝る時の姿勢をちょっと変えてあげるだけで十分です。

高齢によるいびきであれば、口周りや首の筋肉をほぐすためのストレッチやマッサージなどを行った上で、全身の筋力が衰えないよう適度な運動を日々させましょう。

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この他、顎をよく動かすことができるガム等のおやつを与えたり、物をくわえる訓練をさせたり、おもちゃの引っ張り合いをしたりする事もおすすめします。

いびき対策だけでなく中年齢~高年齢の認知症対策として、新しい訓練や遊びを日常の中にゆっくりと取り入れるのは、とても有効です。

高齢になるほど覚えは悪くなっていきますが、短い時間で何度も根気強く繰り返すと新しい訓練を覚えることができます。実際に12~13歳を過ぎていても複数の新しい号令を覚える犬は多々います。

トイプードルは頭のよい犬種ゆえのずる賢い面があり、何かと訓練をさぼろうとするかもしれませんが、訓練自体が楽しいものとなれば頑張ってくれます。

訓練は頭の活性化に繋がるだけでなく、飼い主と愛犬との愛情交換の場でもあります。今日から何か一つ、新しい訓練を取り入れてみてはいかがでしょうか。

治療が必要ないびきもある?

ご紹介してきたように、いびきの中には病気が原因のものがあります。

鼻水やくしゃみ、鼻汁、鼻出血などが伴っているいびきは、原因を調べるための検査と原因に応じての治療が早期に必要となってきます。

中年齢前後になり、「最近疲れやすくなって、いびきをかきやすくなった」「最近太ってきた」「毛並が悪くなってきた」という場合は、甲状腺ホルモンに異常がある可能性を考慮しなければいけません。

「突然始まったいびき」「徐々に大きくなっているいびき」の場合、腫瘍など命にかかわる病気が隠れている可能性が高いため、精密検査が必要となることがあります。

これらの症状がみられる場合は、かかりつけ医に相談してみてください。

最後に、トイプードルもいびきをかくことがあります。

たまのいびきで、寝ている姿勢をちょっと変えてあげて止まるのであれば、全く問題はありません。

しかし、「くしゃみや鼻水などの呼吸器系の症状がある」「徐々にいびきをかく頻度が増してきた」「突然日常的にいびきをかくようになった」等のケースは動物病院で診ていただくことをおすすめします。

トイプードルのいびきの原因は?病気の可能性も?

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