チワワを抱っこしていて落としてしまったり、遊んでいて足を滑らせ転んでしまったり…チワワが脱臼してしまう機会は意外と多いものです。脱臼が疑われる場合どのように対処すべきでしょうか?ここでは、チワワの脱臼の治し方や手術費用について解説します。
チワワの歩き方がおかしい!それは脱臼が原因?
チワワの歩き方に異常が発生する原因は色々あります。
軽度なものとしては足の裏の怪我や爪の剥離、狼爪(ろうそう)が伸び過ぎて自分自身の肉球に刺さった場合等があります。
重度なものとしては骨や筋肉に異常のある、脱臼や椎間板ヘルニア・軟骨異形成症・骨折・変形性関節症・前十字靭帯断裂などがあります。
その中で脱臼の場合には、膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼や股関節脱臼、仙腸(せんちょう)関節脱臼、手根(しゅこん)および足根(そっこん)関節の脱臼などが考えられます。
膝蓋骨脱臼はチワワに最も見られる脱臼であり、膝の前面にあるお皿状の骨が正常な位置から内側または外側に外れてしまいます。股関節脱臼では、後足の付け根の部分にある股関節の骨が関節から外れた状態になります。
仙腸関節脱臼は仙椎(せんつい)と骨盤の一部である腸骨の接合部が外れることにより起こり、手根および足根関節脱臼では前足・後足の関節が外れます。
膝蓋骨脱臼と一部の股関節脱臼では遺伝によるものが考えられますが、他の脱臼については交通事故や高所からの落下、激しいジャンプ、急な方向転換などの大きな外力を受けることにより生じることが多いです。
チワワの脱臼の応急処置の仕方とは?
チワワに脱臼が疑われる場合には、患部を出来るだけ動かさないようにします。動きを制限するためのゲージがあれば用意し、中で安静に過ごさせます。
症状が軽度であれば痛がらないこともありますが、脱臼の様子を見ようと患部を触ったりすると痛がり暴れてしまい、症状を悪化させてしまう可能性もあります。
重症化すると手術を行わなければ治らなくなるなる場合もあります。また、脱臼した後放置して時間が経過してしまうと患部の周囲の筋肉が収縮し整復が困難になり、整復出来たとしても脱臼は再発しやすくなってしまいます。
なるべく早く動物病院を受診し、処置は獣医さんに任せるようにしましょう。
チワワの脱臼の治し方は手術だけ?自然治癒することも?
脱臼の治し方は脱臼した部位や程度により異なりますが、症状が軽度であれば手術などを行わず内服薬の投与や体重管理を行う保存療法が選択されることもあります。
外れてしまった関節などを元の正常な位置に戻すことを整復と言います。皮膚の上から手で圧力をかけたり、太い紐を足にかけて引っ張ったりして元の位置に戻します。
痛みが少なく初期症状の段階であれば無麻酔での整復が可能なこともありますが、一般的に股関節脱臼などでは強い痛みを伴うため、犬が暴れないよう全身麻酔をかけた上で整復します。
脱臼の整復が困難な場合や、整復後すぐに脱臼を繰り返してしまうような場合には手術をする必要があります。
チワワの膝が脱臼する病気「膝蓋骨脱臼」の症状、手術費用は?
膝蓋骨脱臼は、無症状の症例から明らかな歩行の異常が認められ常に痛みがある症例まで脱臼の程度により様々です。
飼い主さんがチワワを散歩に出した後に後足を拭いた時などにパキッという感覚が手に伝わることでこの病気に気が付くこともあります。
痛みが常にあるケースでは、痛む方の足の体重の負荷が弱まったり、常に足を上げてしまうこともあります。重度の症例では足が曲がり伸びなくなって常に腰を下げるような歩行になります。
膝蓋骨脱臼は、脱臼の有無や整復の可否によってグレード1~4に分類されます。
グレード1では触診の時に足を伸ばし膝蓋骨を押すことで簡単に脱臼します。
脱臼した膝蓋骨を自分自身で整復することが可能であり、後足を後ろに伸ばして整復する様子が見られます。この時点では、特に処置をせずに経過観察となることが多いでしょう。
グレード2は、屈伸した際に膝蓋骨が外れたり元の位置に戻ったりし、関節の軟骨が擦れることにより様々な症状が現れます。
グレード3では外れる頻度が高くなりますが、戻すことは可能な状態です。
グレード4になると常に膝蓋骨が脱臼している状態となり戻すことは困難で、レントゲン検査でも膝蓋骨の脱臼や骨の形などに変化が見られるようになります。この状態になると手術以外に治す方法はありません。
膝蓋骨脱臼は悪化すると「前十字靭帯断裂(ぜんじゅうじじんたいだんれつ)」という靭帯の損傷を招いてしまうこともあります。
手術には手術費以外にも脱臼の状態を把握するために行うレントゲン代、全身麻酔に耐えられる全身状態かを確認するための血液検査代、入院費などがかかります。
治療費は動物病院や脱臼の部位、症状の程度などによって異なり、数万円で済む場合もあれば30万円以上かかることもあります。
手術後にもリハビリや薬の服用に治療費がかかることが多いので、手術をする動物病院によく確認しておきましょう。
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